人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ルーチェな暮らしと、 lucehappy.exblog.jp

ルーチェクラッシカのデザイナー光田実土里によるBlog ウエディングドレス作りについてや日々の感じたことなどについて書いています。


by 光田 実土里(ゆらりな)

滝で出会った女神

小田急線の奥の方、丹沢の裾野・みくるべという地名の林道を友人と散歩に出掛けた時に出会った滝からインスピレーションを得て制作した色ドレス。

15kmほどのハイキングコースのちょうど折り返し地点を過ぎたあたりに流れていた滝。
高さは15mほど、流れも優しいその滝は、どんより曇り空にもかかわらず息をのむようなエメラルドグリーンと淡い水色をたしたような澄んだ色をしていたことに驚きました。

平日ですれ違う人もほとんどいないような静かな場所でしたが、その滝周辺はいままで歩いてきた林道とは明らかに違う空気。まさにここに女神がいるような神聖な雰囲気な世界が広がっていたのが印象的です。

湧き水のように澄んだ水のそばに自生していたクレソンは、かじったら甘い味がしました。
滝で出会った女神_f0212290_17493026.png
流れる滝のような静かで優しい、そして風をふくんだらひらひらと舞うようなそんなドレスが作りたいという願いを込めてできたドレスは、薄く糸の細いシルク。オーバードレスとインナードレスの二重構造になっているので、歩いたときにオーバードレスが風になびきます。


自然は、創作にさまざまなインスピレーションを与えてくれます。季節ごとに変わる姿、植物の多様性、生命力、色合い、そして自然界のデザインにかなうものはないと思います。

私が立体裁断を学んだ東京立体裁断研究所の近藤れん子先生は、2011年8月9日に90歳で亡くなりましたが、こころから自然を愛する方で、洋服のシルエットが自然と同じようなナチュラルなラインを描くことをいつも厳しく指導してくださいました。「ナチュールにねっ!!」という言葉が口癖のように。

その頃は20代前半で自然の素晴らしさもまだよく理解していなかった私ですが、今になると自然の美しさがどんなに人のこころを癒し励ますのかが身にしみてわかるようになりました。


先日友人が誘ってくれたライブではカリンバという楽器の演奏を聞きました。水の音、そしてアフリカの森の中からインスパイアされて仕上がったという曲は、まるで森に迷い込んだらたくさんの妖精たちに遭遇したような楽しく嬉しい気持ちになりました。

そのあとの絵画と詩で表現するアーティストさんとカリンバ奏者さんのの共演では、あたたかいお母さんのお腹の中にいるような、心地よさと安心感に包まれ、なんともいえない幸せ感が広がりました。
滝で出会った女神_f0212290_17493804.png
魂の込められたものに触れるとこころは動きますね。わたしも人のこころに届くドレス作りが目標です!!





by luceclassica | 2016-01-31 20:00 | ドレスの魅力